銚子市にある犬吠埼灯台を訪れた方も多いと思います。
季節ごとに表情を変える灯台。時間がある時に撮った写真をまとめてみました。
よく見ると季節ごとの色が見えるかもしれません。
「風」を感じてもらえたら嬉しいです。(君ヶ浜海岸から撮影した写真が多いです)
*君ヶ浜海岸は下記地図で言うと犬吠埼と海鹿島の間にあります。

犬吠埼灯台は、千葉県銚子半島先端の犬吠埼岬にあります。
最東端「とっぱずれ」にあるからでしょうか天気の変化がわかりやすいです。
冬は風がふけば寒さは厳しく、夏は潮の湿気を含んだ空気で蒸し暑い。
沖に航海する船が見えるときもありますが、モヤでまったく沖が見えないときもあります。
黒潮の境目が分かるくらいの穏やかな海かと思えば、波が絶え間なく押し寄せて岩に当たり潮が砕け散る日もあります。
会話しても声が聞こえません。
*普通のスマホ写真です。WEB用に画質を落としています。
犬吠埼灯台(Cape Inubousaki・Lighthouse)風景

犬吠埼灯台は、1874年(明治7)英国人リチャード・ヘンリー・ブラントンの設計により造られた西洋型第一等灯台で、日本で24番目に点灯されました。
隣の資料展示館には、灯台用大型一等レンズが展示してあります。
レンズは国産第一号でした。
同敷地内には旧犬吠埼霧信号所霧笛舎があります。
現存する唯一の遺構です。
2020年春
2020年3月

2020年4月

2020年3月 夕方

2020年夏
2020年6月

2020年6月 近影
「もや」が出ていると灯台から海の風景は幻想的になります。沖を航海する船にとっては灯台の照らす光が心強い味方になります。
【もや】大気中に低く立ち込めた細霧・煙霧など。出典:広辞苑第三版。

2020年8月 夕方


2020年秋
2020年9月

2020年10月
秋らしい澄んだ空にはうろこ雲が浮かんでいます。銚子ですから「いわし雲」かな。ちなみにうろこ雲・いわし雲は年中みられますが“秋の季語”だそうです。

2020年冬
2020年12月 灯台を外川側から
海岸道路(254号線)の外川側から灯台を撮影しました。油絵などで描かれたのはこちらの方向から描いている作品が多いように思います。この周りには歴史ある旅館(ぎょうけい館など)があるので泊まって描きやすかったのかも。(この日は波がなくて残念)

2020年2月 灯台近影

2020年12月

2020年2月

空の色に季節感が見えていますか?。午後に撮った写真なので空気をとらえるのは厳しかったかな‥。“綺麗で目立つ写真ではありませんが、「昭和」の匂いがしてるかもしれません。
灯台周辺スケッチ

太平洋の荒波が打ち寄せる犬吠埼灯台の下にある砂岩は、1億2千万年前の白亜紀に堆積した地層で浅海堆積物があり、当時は浅い海だった証拠があります。長い長い時間が過ぎて硬質砂礫や火山灰が堆積して、太平洋に突き出た現在のような地形になりました。
灯台の入り口にある「白い郵便ポスト」

ポストは飾りではありません、郵便を出すことが出来ます。郵便局の集配担当の方も回収に来てました。
青い空と白い灯台・白いポストのコントラストが生えますね。いつかはポストの上に「猫」が座っていたことがありました。かわいかったので写真に撮りたかった。
*ちなみに千葉県山武郡九十九里町小関2347にある「海の駅九十九里」には『幸せの青いポスト』があり、記念撮影スポットになっているそうです。
君ヶ浜海岸 浸食対策事業「人工リーフ」
君ヶ浜海岸は砂浜の浸食によって、海岸線の浸食がすすみ護岸工事が行われました。
君ヶ浜海岸には「人工リーフ」が埋め込まれています。
案内板(千葉県土木部河川課作成)の内容によると「人工リーフ」の役割は、
“亜熱帯地方の海岸に見られるサンゴ礁(coral reef)の有する優れた波浪制御機能を応用し、岩石などでサンゴ礁を模倣させた水面下の構造物です。人工リーフにより君ヶ浜の来襲波浪を低減させ、海辺を浸食から守ると同時に背後に波の静かな水域を造り出し海浜利用との調和を図ります。”
と書かれていました。
*いくつもの効果が期待できる優れた構造物ですね。

*昭和の時代に、砂浜がつづいていて海の家があった時代が懐かしいです。
銚子市君ヶ浜海岸 海辺の花々(coastal plants)
春から初夏の海に行って海辺に咲く小さな花を見かけると、その逞しさに驚きます。
何しろ日中に照らされた砂浜は高温ですし、海風は容赦なく吹き付けます。風は植物の水分を奪い塩分を運んできます。とても厳しい環境なのです。
しかし不利な環境であっても浜辺の花は負けていません。環境に順応して生活しているのです。
そんな海辺の花を写真に撮ってみました。
銚子の海岸のそばには「ハマ」がつく植物が沢山育っています。(時期は限られます)
ハマヒルガオ 2020年5月

ヒルガオ科の多年草。海岸の砂地に自生。地下茎を長く延ばし、地上茎は長く地に臥す。葉は腎臓形厚質で光沢がある。初夏、葉に漏斗状のアサガオに似た淡紅色の花を開く。*出典:広辞苑第三版
ハマダイコン 2020年4月

海岸の砂地にはえる越年生草本でダイコンの野生化したもの。全体がやせて体質は粗剛で荒い毛が多い。根は長いが太くはならず、かたいので食用にはならない。地味の肥えた所にはえると肥大化してやわらかくなる。4月頃枝の頂から頭部がたいらな総状花序を出し、淡紅紫色の花をつける。まれに白色花がある。(シロバナハマダイコン)
*出典:牧野新日本植物図鑑 株式会社 北隆館 刊
他にも、銚子の海岸で咲いている花のご紹介
ハマゴウ(夏~秋)、ハマツメグサ(春~夏)、ハマアキノキリンソウ(秋)、ハマドウ(春~夏)、スカシユリ(夏)、イソギク(秋)などがあります。
*下記写真は「銚子ジオパークまるごとガイド」より写真の一部を転載しました。

犬吠駅(銚子電鉄)近く
向日葵(ひまわり) 2021年8月
犬吠駅をバックにして元気なひまわり達です。ここで銚子電鉄の青い電車がホームに入ってくれると良かったのですが‥‥。

なかなかお出かけが難しいご時世ですが、海辺の花々は時期になれば元気に花を咲かせているはずです。旅の途中に会いに来てくださいね。
*最後まで読んでいただきありがとうございました。
犬吠埼灯台の歴史について書いた記事もありますので、興味のある方は是非読んでみてください。