頂点を、つかむ。2022年千葉ロッテ-井口5年目勝負の年

井口監督が就任したのが2018年のこと。
千葉ロッテマリーンズの前年(2017年)はシーズン6位に沈んでいました。
チームを立て直すべく就任した井口監督が目指したのは、「チーム改革」だった。
長期計画にもとづいて、チーム首脳陣の刷新や選手補強など精力的に動き毎年成績を上げていった。
そして2021年シーズンには『もう下剋上とはいわせない』レベルに到達しました。

過去4年間の千葉ロッテパリーグ成績とチームスローガン

2018年「マクレ」  59勝81敗3引分・勝率421・5位
2019年「マウエ↑」  69勝70敗4引分・勝率496・4位
2020年「突ッパ!」 60勝57敗3引分・勝率513・2位
2021年「この1点を、つかみ取る」 67勝57敗19引分・勝率540・2位

*スローガンに『井口千葉ロッテマリーンズ』がステップアップしてきた歴史がある。
挑戦を前面に出して戦い経験を積んだ。
そして勝負所で勝ち切れる力がついてきた。勝ち方を知ることが出来た。

そして、
2022年のスローガンは「頂点を、つかむ!」

謎の魚ではありませんが、これがスローガンの5年目『最終形』になります。

2021年シーズン振り返り

投手陣

先発投手陣が中盤まで引っ張った。

2021は序盤に石川歩が怪我で戦線離脱。
エースでありローテの一角を欠いて、苦しい台所を投手陣が踏ん張った。
新人本前も初勝利した。

ローテ美馬が投球回115回1/3、二木が117回、岩下が120回、小島が146回と4人が100イニング以上を投げた。
先発陣が粘りの投球をして序盤を引っ張った。

5月満を持して佐々木朗希が昇格、経験を積みながら初勝利。
中盤にロメロが加入し登板・安定感をみせた。

終盤9月には石川歩が戻り好投した。
新人の河村も起用に答えて徐々に頭角を現した。

先発陣の中で一番成長したのは「小島和哉」。
インコースのストレートに磨きがかかり変化球も生きた。
後半戦は3完投で2完封などエース級の働き。安定感があってチームの「勝ち頭10勝」を挙げた。

佐々木朗希」は2021シーズン初登板、1軍ローテーション投手に向け布石をうった。
登板当初は苦戦しながら初勝利。150k超の速球とフォークを軸に勝負も、足りない部分も見えて課題を修正。
終盤には優勝を争う大事な試合を任されるまでになった。
2021年のCS含む終盤3試合では、18回を投げて自責点0(失点3)、29奪三振と相手を黙らせた。
ストレートの精度を高めフォークも投げ分け絶対エースを目指す。

佐々木朗希-20211104CS楽天戦-1
佐々木朗希-20211104CS楽天戦-1

リリーフ陣に粘りがあった。

「佐々木千隼」が54登板で34HPで8勝1敗と活躍。
力感のないフォームから鋭く曲がる変化球を武器に躍動。
彼の登板は千葉ロッテが終盤に逆転するジンクスを生み勝利の原動力になった。

ハーマンが不安定でも、6月に横浜から移籍の国吉がセットアッパーとして穴を埋めた。

唐川が38登板小野が49登板と二人が粘って投げた。

鈴木昭汰も先発とリリーフを繰り返した。数字こそ残せなかったがチームの台所を救った。

リリーフ陣が束になって中盤以降の不安も消した。
後半の先発陣の乱れをカバーした。
*劣勢に立たされる試合であっても中村稔弥・鈴木昭汰・田中靖・東妻・東條・土居らが活躍。
特に2年目の横山がアピールした。

クローザーが期待に応えた。

9回はクローザー益田直也がゲームを締めた。
先発から中継ぎへのリレーがゲームを作り、9回に勝利の方程式へとつなげた。
益田が獅子奮迅の活躍で応えた。

2021年は各球団ともに9回制でクローザーがプレッシャーで乱れ苦しんだ年。
しかし益田は同点の苦しい場面でも登板、防波堤の役目を果たした。
彼の気持ちの入った投球には感動しかなかった。

最後は束になって戦った。

終盤は石川歩が怪我から復帰。素晴らしい投球を展開。チームを勇気づけた。
優勝争いの大勝負では成長した佐々木朗希が圧巻の投球を披露。

接戦に持ち込みたかったが、最後は紙一重、オリックス絶対エース山本に阻まれた。

投手陣が“束となって最後まで戦い抜いたこと”は自信となり、2022年に実を結ぶ。