魚、ネコ、ぬれ煎餅デザイン?-「次郎右衛門」銚子電鉄の観光列車-4月運行開始

銚子電鉄発、2025年初頭ニュース

銚子電鉄の2025年のビックニュースはこれ。「新車両の発表」です。

銚子電鉄-次郎右衛門
銚子電鉄-次郎右衛門

銚子電鉄の昨年末より実施されていた「観光列車への模様替え」を目指してのクラウドファンディングですが、沢山の皆様の応援で1200万円が集まりました。
南海電鉄より購入された「2200系」車両の改装が先日終了して、3月1日にお披露目が行われました。

座席の背もたれに多くの魚を描き、漁業の街・銚子を表現した電車。(1日、銚子市で)

2025年(令和7年)3月2日(日曜日)読売新聞 房総版より

2025年初頭、銚子電鉄が新しい車両を観光列車として走らせるというニュースが話題となりました
4月1日に運行が始まります。その内容について書きたいと思います

南海電鉄より車両を譲渡

銚子電鉄(銚子市)は、昨年2024年8月に大手私鉄の南海電鉄 (大阪市)から、2200系電車2編成を譲り受けたと発表がありました。
*「2200系」車両(2両編成) は、1969年に22000系電車として製造され、橋本以南の高野線で運用されていた電車です。

譲渡車両を観光列車化するためのクラウドファンディング

南海電鉄から2200系車両を譲受して改修を計画するも、改造費は約1500万円かかる。改造費をねん出するために、1000万円を目標にクラウドファンディングを行ないました。
結果目標を超える約1200万円もの支援金が集まった。御支援は観光列車化にかかる費用にかけられることに。

新車両の改修完了、列車「次郎右衛門」公開

3月1日、観光列車化した新車両「次郎右衛門」が公開された。

沿線住民の減少で乗客の8割以上が行楽客という銚子電鉄。
出発式で竹本勝紀社長は 「乗って楽しい日本一のエンタメ鉄道を目指す」と力強く述べた。
営業運転は4月1日からで、通常ダイヤの中で運行する。

名前「次郎右衛門」の由来

「次郎右衛門」の名前は、外川の漁師「崎山治(次)郎右衛門」からきています

治郎右衛門は、江戸時代の明暦2年(1656)に外川港築港工事に着手し6年間で完成させた人。
外川の街を碁盤の目のように整備、外川イワシ漁の発展に大きな功績を残しました。
彼の成功が、後の銚子漁業の繁栄につながりました。

【新車両「次郎右衛門」運行で目指すこと】

まずは銚子電鉄の安全・安定輸送の実現。
最終の目標は「銚子観光の玄関口となる列車」を目指しています。

沿線住民の減少で乗客の8割以上が行楽客という銚子電鉄。
出発式で竹本勝紀社長は 「乗って楽しい日本一のエンタメ鉄道を目指す」と力強く述べた。

*訪日外国人客の誘致も目指しており、台湾人ユーチューバーの「リンリンさん」に、銚子電鉄アンバサダーを委嘱した。

新車両の改修内容

車体外装カラーは海を想像させるような水色、南海電鉄2200系の現行カラーを採用?
前面と横には青いラインが太く入っていて海のイメージがします。
前面の青ラインの下には黄色のラインもありアクセントになっています。

運転席後ろの2座席は、前方の景色が見える展望席とした
座席の多くは縦座席のロングシートだが、一部に歓談や食事ができるテーブル付きの4人掛けボックスシート車窓を楽しむカウンターも設置
(アコモデーション改造として展望席やカウンターバーを設置。)

・車両内のデザインは、漁業の街らしさにこだわった。
1両は、青い座席シートの背もたれに市を象徴する・ネコがモチーフ。つり革の輪もサバやイワシの形をかたどっている。座席シート柄には、市民らが描いた”いわしのイラスト”を使っている。

もう1両は、港町にはつきもののネコとヒマワリがモチーフ。
ヒマワリの図柄の中には、ぬれ煎餅が紛れ込んでいるという?
床にはネコの足跡、壁面にはネコが小判に手を伸ばす姿が描かれた。吊り革にもネコの顔をイメージしたデザインが使われている。

観光列車化へのヒントは「めでたいでんしゃ」

竹本社長が南海電鉄の車両を下見に行った際に、南海加太線(加太さかな線)を走る「めでたいでんしゃ」がキッカケだといいます。
南海加太線の5編成の列車には異なるデザインが描かれていた。海の中をイメージし、魚や海の生き物を配していた。床には魚のあみだくじが、シートにはタイが描かれるなど楽しいものです。

今回の観光列車の海をイメージさせるようなデザインは、その時に活躍していた「魚の意匠をした電車」から社長が着想したとのこと。

乗車客様がワクワクする内装へと。銚子の観光を盛り上げる車内設備の改造になりました。
竹本社長は「銚子の魅力を知ってもらい、盛り上げることが使命であり。恩返し」と話します。
銚子に来たら銚子電鉄に乗ってみてください。

補足

【アコモデーションとは】
適宜・娯楽・もてなし・親切・供給・適応などを指す。

【いわし絵】

銚子一万匹イワシ絵コンクール
銚子一万匹イワシ絵コンクール

銚子電鉄2200系「次郎右衛門」車内座席の意匠に採用されたいわし絵は、2014年「銚子1万匹いわし絵コンクール」の応募作です。2014年に銚子観音・門前軽いトラ市実行委員会が、オリジナルないわし絵(未発表)を募集したものです。
目的は「銚子の市の魚いわしとアートを融合し、銚子の街をおしゃれにカラフルに変えることで、そのプロジェクトの一つでした。
*上記写真にあるイラストは、ランチョンマット(税込み550円)として銚子セレクト市場などで販売されています。

*最後までお読みいただきありがとうございました。
銚子電鉄発表、新聞、各種メディアを参考にしました。