「バースデイ・ガール」村上春樹著-感想【ネタバレ有】人間は何を望んだところで自分以外にはなれない

【推測‥、この物語をまとめてみた

最後にまた悪い癖で変な方向に話がいってしまいましたので少し戻します。
当たり前ですが、世の中に嘘をつかない人などいないわけです。
なのでもし彼女が嘘をついていた(彼女の本意でなく)としても、この小説は変わった話ではないです。
初めて会ったオーナーである老人との話の中で、若い女の子が突拍子もないことを言う訳もないでしょう。
そう考えると、もし女の子が嘘をついたにしても、大それた嘘ではなかったはずです。

小説ではオーナーである老人に初めて会います。
その言葉に戸惑う若い女の子のドキドキや初々しさもあります。
日常の出会いには可能性が潜んでいるのです。
夢やファンタジーも特別な世界ではありません。
願う事で出会いがありドラマが生まれる。

願いが人生を変えていくのかもしれません。

彼女が振り返った時に、
20歳の誕生日に“生まれたもの”は何だったのでしょうか?

それが彼女の人生をどう変えたのでしょうか?

今回「バースデイガール」を読んで、あらためて「村上春樹さん」の小説の深さを知りました。
それはこの小説のテーマの一つである・主人公の言った言葉「望み」が出てこないことです。
それ故に彼女とオーナーの心の内が分からない。二人の想いが違うので読み終わっても色々な想像が膨らむのです。ミステリアスな雰囲気も出るし読み飽きないところだと思いました。
また終盤に登場する中年男性の役割も悩ましいところです
【注意】あくまで個人的な推測に基づく感想です。

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