「バースデイ・ガール」村上春樹著-感想【ネタバレ有】人間は何を望んだところで自分以外にはなれない

小説の途中から登場する聞き役の男性は誰だろう?

小説には書かれていないので想像するしかないのだが、聞き役の男性は、その言葉尻から女性の話を聞いてアドバイスをしているように思われる。
自分の推測だが、男性はカウンセラーか、彼女の友達か、のいずれかではないだろうか。
彼女は人生の半ばになっても悩みがある。そしてそれをバーで相談している。

悩みは恐らく20歳の時に初めて会ったオーナーに言ってしまった望みであり、それがかなえられていないためだ。
つまりいまだに受け身の人生を送っているのかもしれない。
小説には書かれていないが、恐らく彼女はその眼の光や微笑から、人生に迷っていると推測した。

そして彼女はオーナーに言ったことを思いだし後悔している。
なぜなら他人に望みを言う意味が分かっていないで「望み」を言ってしまったからだ。

彼女にはお願いすることを変えておけば良かったという事(後悔)もあるかもしれない。
理由は中年の男性と一緒にいて話すことで、若い時に言った“願い”について思いだしたから。

恐らくその言ったこと(最初から受け身の望み)に対して、精神的に前に進んでいない自分の人生について悩んでいるのかもしれない。

作者は小説を読む人に対して、大人(20歳)になることの意味を問いている

・誕生日の意味
・20歳の望みとは
大人になるとは
*そのカギをとく話として「老人と若い女との会話」と「中年男性と中年女性の会話」、二つの舞台が用意されている。答えは書いていないので読む人が判断するしかない。

カギはやはり「20歳の誕生日をどうとらえるか」により変わりそうだ。
そして一番肝心の「望み」が小説に書かれていないのも想像力をふくらませ面白いところである。
小説を読む人に“人生の望みの向き合い方”を試されているようでもある。

*冷めた面白くない感想になってしまいました。なので少し夢のある感想を書いてみました。

【冷静にシンプルに感想を考えてみた】

単純に誕生日におきた不思議な物語ととらえて感想を書くと簡単になります。
・女性が20歳の誕生日に望んだことは何だったのか?若い時の過ちか。
・オーナーの言葉の意味は、頑張れと言う励ましの言葉だ。
・10年以上経って女性はそれがかなえられたのか。
その疑問に対しては、
10年後の彼女にとって、20歳の願いはまだかなえられていないようだが、それが人生だという感想です。

人生には若い時に願いが必要で、望みはかなえられないからいいのだと。
そして願いは他人頼みでなく自分でかなえるものなのだと教えているのだ。

*ここまで書いたが納得は出来ていない、まだ解決できていない部分がいる。
物語の終盤に登場する中年男性の存在だ。そして彼女との関係である。
ここが読めないと感想が中途半端。
なので蛇足と思いつつも、男女関係を加えて深読みしてみました。

*次ページから再度彼女の願いから考えています。

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