待ちに待った「侍ジャパン」2023WBC日本代表戦。
1次ラウンドは投手が踏ん張り大量得点しての4連勝。
準決勝進出をかけた対イタリア戦も勝利し決勝ラウンドのマイアミ行きを決めた。
日本の投手力は折り紙付きでも、日本のパワーに世界は驚きを隠せない。
まさかそこまでとは‥。
用意周到に準備し細かな野球で接戦をものにするのは過去の話。
現代パワー野球にバージョンアップしていた?
2023WBC日本プールを振り返ってみた。
B組1次ラウンド、準々決勝、試合を振り返り
1次ラウンド
初戦「中国戦」8対1で勝利。
勝利投手は大谷。ヌートバー・大谷マルチ。
2戦目「韓国戦」13対4で勝利。
勝利投手はダルビッシュ。
吉田が3安打5打点。ヌートバー・近藤・大谷・岡本・中野がマルチ。
3戦目「チェコ戦」10対2で勝利。
勝利投手は佐々木朗希。近藤・吉田マルチ。
4戦目「豪州戦」7対1で勝利。
勝利投手は山本由伸。中村3安打・近藤マルチ。
【予選最終結果】日本は4連勝で1位通過
初戦「中国戦」は重圧がかかる中、大谷がピッチングで4回1安打無失点とゲームを支配。
ヌートバー・近藤がチャンス作り大谷・吉田が返す。ヌートバーが好守備。大谷が2刀流で躍動。
投手は戸郷、湯浅、伊藤と繋いだ。
2戦目「韓国戦」では、ダルビッシュが先制点を許すも、直後近藤と吉田のタイムリーで逆転し劣勢を跳ね返す。
吉田が猛打賞5打点の大活躍。ヌートバーのファインプレーも素晴らしかった。
投手は今永、宇田川、松井裕、高橋宏と繋いだ。
3戦目「チェコ戦」は、国際大会初登場の佐々木朗希が登板、ストレートは160k台を連発(最速164k)。
初回エラーで失点するも落ち着いていた。変化球をまぜ3回2/3を2安打打たれるも8k無失点に抑える。
打線はチェコの先発サトリアにタイミングあわず苦しむが、3回吉田がアジャストして逆転、山田がつづいた。(吉田は3打点)。投手は宇田川、宮城と繋いだ。(宮城が5回を投げきった)
4戦目「豪州戦」は厳しい試合も想定されたが、初回大谷がWBC1号となる特大右中間の3ランで先制。
山本由伸も4回1安打無失点と好投。中村捕手がリードだけでなく3安打1打点と活躍した。
投手は高橋、大勢、湯浅、高橋宏と繋いだ。
【大谷の予選ラウンド】
予選ラウンド初戦先発し無失点、打つほうは4試合で打率5割8打点の大活躍。
2刀流として主軸として期待通りの活躍を見せた。
豪州戦では2球目の甘く入ったカーブを右中間スタンド上部看板(自身の写真)にあてる衝撃弾。
準々決勝
A組2位「イタリア戦」9対3で勝利。勝利投手は大谷。村上・岡本マルチ。
準々決勝「イタリア戦」は大谷が先発。
メジャー選手8人を擁するイタリア選手に対してストレートはMAX164k、スプリット・スライダーを駆使。
日本は3回1アウトから大谷が意表を突くセフティバントで1・3塁のチャンスに拡大。
吉田が打点・岡本の3ランにつなげ4点先制。
大谷は雄たけびをあげる気合の投球で3回まで無失点に抑えるが、4回制球の乱れから死球とポテンヒットで2点失う。直後村上のタイムリーが大きかった。大谷からリリーフ伊藤が好投し後続をたつ。
そのご投手は伊藤、今永、ダルビッシュ、大勢とリレーして勝ち切った。
(ダルビッシュの日本での登板がみれるのは最後かもしれない)
【大谷のイタリア戦】
先発し3回2/3を2失点、打つほうは4打数1安打。
一発勝負のプレッシャーのなか、投手としてゲームをつくり勝利につなげた。投球時雄たけびをあげて投げる。164kはミットを突き抜けるかのようなボールで凄かった。
打つ方で3回裏ミスでチャンスをつぶしかけたところを、セフティバントを成功させて嫌な流れをとめた。
(大谷シフトの逆を突くバントにイタリアの投手・1塁手反応できず)
「日本プール」チームを牽引した3選手
大谷の活躍は目立ちますが、他にも沢山の選手が活躍しています。
中でも皆を鼓舞し勝利に貢献した三人の選手をあげてみました。
・「ヌートバー」日系米国人メジャー選手(カージナルス)で初の日本代表。
試合前は外野から実力・起用について疑問視する意見もあったが、初回からヒットでそんな不安を払拭。
特に怪我を恐れないような献身的なファインプレーは侍をこえた。
模範となるファイトを見せ初戦からチームを牽引した。4試合連続安打。
ペッパーミルパフォーマンスは日本中の注目を集め人気者に、人格もいいので野球ファン以外も巻き込んだ。
フルネームは「ラーズ・テイラー=タツジ・ヌートバー」
・「吉田正尚」驚異の打撃技術と秘めたる決意。
メジャー(レッドソックス)最初の年なのに早々と侍ジャパンに参加を決める。
代表参加直後から並々ならぬ決意を顔にたたえていた。
今までになき真剣な表情は慣れないアメリカ野球への適応の厳しさを想像させるも、
それを払拭するだけでなく、勝つためにしっかりと準備して、ここぞという場面で点を取る。
彼の期待に応える技術と強い精神力に変われる人はいない。
・「近藤健介」状況に応じた打撃で最高出塁率を誇る天才。
ヒットを塁間に打ち分けると思えばスタンドにも運べる。
選球眼がよく相手の決め球をファールしフォアボールで出塁。相手にとって打ち取るのが困難なバッター。
パリーグでも移籍初年度だが球団の信頼は揺らがない。
日本プール戦で分かってきたこと
選手個々のレベルアップ
・ここ数年の投手力のさらなるアップ
いままで積み上げてきた日本人投手力に厚み
日本人プロ野球がもっていた「変化球の素晴らしさ+コントロールの精度」にプラスして、「球速」や「球の力」がアップ。加えて層の厚さがある。メジャーでも通用するであろう投手「山本由伸、佐々木朗希」らが育ってきている。
さらにメジャーで活躍しているダルビッシュや大谷が加わり、試合をコントロールことが可能になった。
「精神的な支柱」にもなり、初戦・韓国戦の立ち上がりに成功、勝ち抜けた。リリーフ陣含めて、何が何でも抑えないといけないというプレッシャーが減った。球威と制球力がすぐれ、いざというときは力で抑えることのできる投手も多い。
・力勝負もつなぎも出来る選手の台頭。
近藤がファールで粘り四球を選ぶ。クレバーな打撃でタイムリー、つなぎの役割を果たす。
ここ一番では強打、貴重な追加点をホームランであげました。
吉田がファールで粘りながらも好球をヒットします。
岡本・村上・牧は外角をスタンドインさせる力を持つ。
*大谷でさえも規格外のパワーを持ちながら、決してそれだけで満足しない。
・日本人プレーヤーの起用さは健在。
守備は複数のポジションを守れる選手がいる。
盗塁のスペシャリストは準備万端。
バント・エンドランはもちろん、細かな攻撃は幅を広げさらなる脅威を与え続けます。
*対イタリア戦で3回大谷が相手の守備を見てセフティバントを選択、冷静なつなぎをしてきたのは驚きでした。
侍ジャパン、広がる戦略の幅。
純日本プロ野球らしき侍が伝統の形を守る?よりは、いままでの戦い方を変えるような力が見られた。
接戦もありえたイタリア戦でもその傾向は変わらず。
技術だけでなく投打にパワーを手に入れた侍ジャパンの姿がみえた。
外国人に対して見劣りしない体形は数年前から手に入れたが、
精神的なものもあってか、大舞台での活躍は今一つだった。
しかし最近の若手選手は気後れすることはない。
食事など環境の変化もあるだろう。
高校・大学に対国際試合も積んでいる。
球団の育成にも変化あり、大谷は日本ハムで経験を積んで大きく世界に羽ばたいた。
佐々木朗希も千葉ロッテで育成プランは有名。
個々の科学的なトレーニングも活かされているはず。
だから体の大きさとパワーを兼ね備える選手が台頭してきた。
(この傾向は他のスポーツでも顕著、世界クラスの選手が出て活躍を始めている)
【栗山監督がひろい知見を持つ】
栗山監督は解説者経験者で勉強家。また現在活躍中のMLB選手に造詣の深い監督。
この大会に合わせたかのような勇者たちにも縁が深い。
・監督の勝負師の一面:ヌートバーの起用。
リサーチはあっても合流したばかりの未知の選手。マイナスは考えないで一番打者としての起用。
短期決戦らしい“賭け”にでた。結果彼の勇気あるプレーがチームに勢いをもたらしファンに感動をもたらした。
(ヌートバーは水原通訳がリサーチしたとのこと)
・日本選手に対しての信頼:代表選手に対してのリスペクト
代表選手が応えた。近藤、吉田、源田、岡本、中村ら中堅プレーヤーがつないでチームを救った。
特に彼らの「対応力」は素晴らしかった。
・ワールドクラスの人脈:強度をプラスできた。
太い柱がさらに強度をます。ピンチに動じない選手の存在です。
ぶれない精神力の「大谷(エンゼルス)」。また経験豊かなあこがれの存在「ダルビッシュ(パドレス)」。
今回の大会が雪辱になる、その準備は整った。
連勝で国民的ブームを巻き起こしている「侍ジャパン」。
「熱くも冷静に戦える」
これも力(技術・パワー・精神力)のたゆまぬバージョンアップがあればこそ。
今までにない侍ジャパンの姿がそこにありました。
主力選手が監督の期待に答える。初陣の選手も踏ん張ってチーム力をあげる。
ここからはアウェイで厳しさを増していくが跳ね返してほしい。
ここまでの日本プールの戦いは、とても楽しませていただきました。お疲れさまでした。
決勝リーグ「メキシコ戦」では、われらが佐々木朗希に期待。
160kの剛球で驚かせてピンチでは変化球のキレを期待。
攻撃は変わらずヌートバー・近藤が出塁して大谷には一発を期待。そして吉田がここぞで決めてくれるはず。
調子を一段上げた岡本・村上のしぶとい一振りもチームを救ってほしい。
そして強力なリリーフ陣、楽しみしかないです。しびれる場面で代走がでて盗塁の場面もでてくるのでしょう。
マイアミで強行日程のなか頑張る選手を応援したいと思います。
*【注意】すべて個人的な意見です。
最後までお読みいただきありがとうございました。