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銚子港

なぜ紀州の人が銚子に移住してきたのか

1645年(正保2年)、銚子で醤油の醸造をし始めたヤマサ醤油初代濱口儀兵衛は、紀州の出身でした。
醤油での銚子と紀州との関係は有名ですが、実は銚子と紀州との縁は「漁業も深いこと」を知っていましたか?


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「銚子漁港の漁獲量が多いのは、銚子沖に良好な漁場があることや、大きな漁船が多数停泊できるような漁港が存在しているからだけではない。漁獲した魚を適切に処理する施設や流通体制が整っていることも銚子漁港の特徴である」
(NHKで今年放送されたブラタモリ「銚子はなぜ日本一の漁港になった?」の中でも冷凍倉庫など施設の大切さが紹介されていました)

現在の「銚子漁港繁栄の原点」は外川地区に来ていた紀州の人たちにありました。

江戸時代に紀州(現在の和歌山県)の漁民は、海でイワシをたくさん穫っていましたが枯渇してしまい、西方に向かいました。そして四国、九州の漁場でイワシを穫っていましたがこちらも枯渇してしまった。

その後彼らは房総沖を目指した。房総沖、銚子はイワシが豊富だったため毎年同じ季節に旅網としてやってくるようになった。危険も伴ったために紀州に帰らず、銚子に定住する人たちが増えていったそうです。

【鰯】
マイワシなどの総称。水面近くを群泳、目刺・干物・油漬などに加工し、また鰯油をとり、肥料や飼料にもする。栄養が豊富なのでも有名です。
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外川地区に漁港の建築が「銚子石」を利用して進められ1661年(寛文元年)に完成しました。
のち漁師やその家族が住むために外川街区の工事も始められました。

【銚子石】
銚子を代表する砂岩です。
「銚子の東海岸に分布する白亜系銚子層群中の岩を切り出したもの。銚子層群は浅海性の礫岩、砂岩、泥岩からなり、この中で砂岩が石材に利用された。この砂岩の色調は黄褐色から白灰色で、比較的均一な粒子から構成される」

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その後も紀州の人たちは銚子の貴重な労働力にもなりました。
市場が整備されて、水産加工会社や冷凍冷蔵施設が作られていきます。そしていまや銚子漁港は利用範囲が全国的で、イワシ・サバ・サンマなどの回遊魚の漁獲量が日本国内で最大級の漁港になっています。

第一卸売市場(見学可能)では、マグロ・カジキ類の競りが行われ、第二卸売市場では、イワシ・サバなどの魚をトラックに積み込んでいます。また太平洋側に面した第三卸売市場では、サンマ・キンメダイ・カツオ・ヒラメ・ホウボウなど200種類もの魚があがっています。

*銚子沖にはなぜ魚があつまってくるのか?

・銚子沖は、日本列島の形の影響を受けて、2種類の海流の影響を受けます。南側から上ってきた黒潮(日本海流)は貧栄養でプランクトンが少ないために、透明度が高く、青黒く見える。銚子沖まで来ると東方へ流れていく。

・一方北海道から南西方向に流れる親潮(千島海流)は、栄養塩に富んでいて大量の植物プランクトンが発生し、これを求めて動物プランクトンが集まってくる。

・これらのプランクトンを求めて、黒潮に乗って暖かい海域からも魚が集まってくる。

「銚子沖は黒潮と親潮の両方の影響を受けた世界3大漁港の一つなのである」。
この世界3大漁港については諸説ありそうなので、日本の3大漁港を紹介しておきます。「銚子港」「焼津漁港」「釧路漁港」です。
*出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

豊かな栄養が親潮に乗り南下してきて沢山のプランクトンを生まれ、南から黒潮に乗って魚が集まってくる。そして銚子に人が集まってきたんですね。

銚子漁港修築に尽力をつくした「浜口吉兵衛」も紹介します。

皆さんは銚子漁港(第一卸売市場)近隣の公園にある浜口吉兵衛さんの銅像をごぞんじですか。

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昔銚子港は風浪の激しく危険な場所で、漁船の転覆などが続いていました。そのことを銚子醤油社長の吉兵衛さんは憂いた。そこで漁港の修築を志して、国に働き掛けて国庫を使用することに成功しました。銚子漁港の修築に多大な尽力を尽くした偉人です。吉兵衛さんも紀州有田郡広村生まれでした。

紀州など他の地域から来た人たちに銚子漁港の発展は支えられてきました。


*「関東のジオパーク」目代邦康・鈴木雄介・松原典孝編 古今書院刊、
銚子市史 発行者 佐藤今朝夫 編者 篠崎四郎 株式会社 国書刊行会(昭和56年5月15日発行)、
より一部引用いたしました。また参考にしました。

外川の漁師たちの暮らしぶりなどを伝える資料を展示する施設があります。近くに行ったときに訪ねてみてはいかがでしょうか。

【外川ミニ郷土資料館】
場所:銚子市外川町2-10610
電話:0479-22-0575
営業時間:10:30~15:30
休館日:火曜日・水曜日
入館料:無料