侍ジャパンが優勝を勝ち取れた要因を考えた
侍ジャパンが2023第5回WBCで14年振り3度目の優勝を勝ち取った。
メジャーリーグを代表するような選手との対決は「力勝負」に。
その中でも粘って四球も選び出塁し相手にプレッシャーもかける。
日本野球の「短期間で一丸となって戦える」強みが生きた。
侍ジャパン若手投手が最高の舞台で躍動、打者も自分の力を出し切った。
レベルの高いその技術は世界的に衝撃を与えた。
事前の準備があるから采配にブレ無し
マスコミでも無敵だとか最強だとか日本の投手は世界一だからと「ひとくくり」にまとめるが、それは結果がでたあとだから言えること。監督であれ選手であれ、それぞれが様々な状況の中、事前に勝てる準備する・信頼するのは簡単ではないはず。チームワーク・総合力が勝敗を分けたのだと思う。
栗山監督の就任からの話を話していたが、準備・采配は一本筋が通ったものだった。
選手を信頼していた、一流選手だからできる技術やマネジメントを優先していたという。
打者は大谷・ヌートバー・近藤・吉田・岡本・村上らあげていくときりがない。事前に鈴木が離脱も慌てることはない。投手は大谷・ダルビッシュ・山本・今永・
(そして決して悪口などは言わなかった。)
簡単に言っていたが過去実際にやった人がいるわけではないし、最終責任を取る監督の口から聞くと驚きしかない。
従来の指示型でなく選手個々の力を最大限にだすために監督が知恵を絞る、日本の野球界ではあまり見られないもの。
ある解説者の方が、「これからの日本野球の常識をかえるキッカケになるかも」と言っていたがそれも納得。
【ダルビッシュの献身的な活躍がチームをまとめた】
試合後の侍ジャパン特集番組でも解説していたが、ダルビッシュはキャンプ頭から合流。
自分の調整を後回しにしてまで、若手選手との交流に時間を割いていた。
決勝前夜にはアメリカ代表メジャー選手の特徴を若手投手陣に伝えていたという。
今大会ダルビッシュの調子は良くなかったのに。
栗山監督がそんなダルビッシュの姿には頭が下がり、優勝が決まった後に感謝を伝えた。
ダルビッシュのような主力選手が、献身的にチームの中でコミュニケーションをとりつづけたのは凄いこと。でも出来ることではない。
ベンチの雰囲気が前向き
ダルビッシュと大谷という精神的な支柱も加わり、雰囲気も重くならなかった。
新加入のヌートバーも明るい性格と積極性で場の緊張をやわらげ雰囲気を盛り上げた。
中盤以降は選手も個々のキャラクターを出せていけた。次第に若手打者に思い切りが復活。
日本の投手が試合を重ねるたびに成長。気持ちも強くもてた。
決勝米国戦前に大谷は「この試合は~憧れるのはやめましょう」と皆の気持ちを一つに。
結果米国を少し上回ったというのが合っているのではないかと思う。
大谷選手の雄たけびについては、今まであまり見たことのない彼の激しい部分が垣間見れて興味深かった。
また栗山監督が大谷選手のチームを鼓舞する動きや派手なガッツポーズについては、「大谷はこれがやりたかったんだと思った」、「彼は生きるか死ぬかの勝負がしたかったのだと分かった」と何度も言っていたのが印象に残った。
若手打撃陣・投手陣の成長
日本が優勝できたのは、監督の想像の上をいく成長が出来たという事かもしれない。
米国の打者が世界一は揺るがないし経験値は日本の若手よりも上。
決勝試合前、円陣での大谷選手の掛け声ではないが、上に見ていては勝てないといい。
ダルビッシュは自分の時間を割いて自分の背中を見せつづけた。
委縮していたら僅差での勝負は出来ても、勝ちきれていたかは分からない。
見逃せないバックアップメンバーの存在
源田:序盤下位の起点として出塁し守備でも活躍した。小指を骨折し先発から外れるも気持ちが強い。
決勝ラウンドでは復帰し好守備を見せた。自然体のプレーはチームに勇気を与えた。
山川:長距離砲だが活躍の場が限られた。メキシコ戦での代打でレフト犠打を打った。積極的にとった1点は大きかった。
*他の控え選手も力のある選手ばかりで、出場すればいい仕事をしていたはずです。
元々持っていた打撃・守備力・走力に加えて、世界レベルのパワーを獲得しさらなる技術のアップを可能にした。
実際に今大会は以前の大会ほど細かい作戦はなかったが、接戦になった時に出せるカードがあった。
日本の投手力が勝てた理由の第一だが、目に見えない部分でも日本野球の質が上がっていると思われる。
*次ページは「世界におくすることなく戦い、勝ち切ったのが財産に」、まとめになります。