9回大谷がトラウト斬り-2023第5回WBC決勝「侍ジャパン優勝」

決勝(対米国戦)

【決勝の結果】
米国戦:3対2 で日本が勝利(決勝で米国に勝ったのは初めて)
勝利投手は今永。セーブは大谷。
2回村上ソロ・4回岡本がソロホームラン。岡本はマルチ。
米国は2回ターナーがソロ、8回シュワバーがソロ。
チームとして四球も8個選んだ。岡本がマルチ。

対戦相手は「米国」1番から9番までスター選手ばかり、マイクトラウトが2番座る。
今大会最高のカードになった。
米国は最強打線で勝ち進んできた。
6試合で総得点は49。チーム打率は310、本塁打は参加チーム最多の計10本。
ただ総失点は49でチーム防御率は4.33。

日本は6試合で総得点は53。チーム打率は314、本塁打は計7本。
総失点は16。チーム防御率は参加20チーム中1位の2.33。

米国は準々決勝(ベネズエラ)、準決勝(キューバ)と逆転勝ちでコマを進めてきた。
打線は振れているが、チーム防御率は今一つ。
日本は堅い投手力をバックにつないで主軸が決める。やはり上位でチャンスを作りたい。
米国は絶対的な投手を欠いているので、日本としては如何に得点を取っていくかが鍵。
また投手陣が少ない失点で終盤に持ち込めるかが大事だった。

決勝「米国戦」は今永が先発。
メジャー選手を相手に今永はストレートは150kのキレのあるストレートが良かった。

スプリット・スライダーを駆使。絶好調のターナーにソロホームランで1点取られる。
リードされた直後の2回裏、村上のソロホームランで同点に追いつく。
さらにヌートバーの内野ゴロの間に1点追加して勝ち越した。

4回には岡本がソロホームランで2点差に。8回ダルビッシュがシュワバーにソロホームラン打たれ1点差となる。
最後9回は大谷が登板。先頭打者に四球を与えたがベッツをセカンドゴロWプレーに打ち取る。
最後はトラウトを三振に打ち取って日本が米国に勝利した。
投手は先発今永から戸郷、伊藤、高橋宏、ダルビッシュ、大勢、大谷とリレー。

【大谷の決勝:米国戦】

DH打撃はは3打数1安打1四球。投手としては9回を無失点におさえ勝利に導いた。
一発勝負のプレッシャーのなかチームを鼓舞しつづけた。


指名打者で出場して中盤から終盤は登板の準備。
5回から9回の間にベンチとブルペンとの行ったり来たり。
DHをしながら投手の準備、とんでもないことをくりかえした。

1点差で9回の表に登板すると、まずは捕手中村にたいして「甘めに構えてください」と伝える。
(中村雄平は今大会で大谷の投球を受けるのは初めてだった、これも驚き)

先頭打者「マクニール」をフォアボールで出すも集中力をあげる。
1番打者「ベッツ」をセカンドゴロWプレーに打ち取ると
次打者2番「トラウト」が打席に入る。
ここでギアを一段上げる。
160k超のストレート2球でトラウトを追い込む。
最後は高速スライダーを外角に投げて三振に打ち取った。

勝ち切ったところで雄たけびが出た。

*トラウトを追い込んだストレートはミットを突き抜けるかのようなボールで凄かった。
最後の打者トラウトを三振に取ったスライダーは「全身全霊をかけた魂の投球」だった。

「準決勝・決勝」チームを牽引した選手たち。

・「吉田正尚気持ちが強い。冷静に自分の役割をこなす「もう一人のMVP」。
準決勝:メキシコ戦の起死回生の技有3ランは、チームに勇気を与えた。
メキシコにプレッシャーをかけた。
*3ランで吉田は1大会での個人最多となる13打点目を記録した。
(それまでの最多は2017年のバレンティンによる12打点)

・「村上宗隆」目覚めた主砲、メキシコ戦9回監督の信頼にこたえる。
チームメイトへ感謝の気持ちを表現した。
準決勝:サヨナラ2塁打を放った。決勝:同点に追いつくソロホームラン。
今一つ調子に乗れていなかったが常に振り込んでいた。甘いボールに反応できた。
決勝で同点に追いつくソロホームラン打ち三冠王の片鱗を見せた。

「岡本和真」5年連続HR30本越えの日本を代表する長距離砲。
メキシコ戦でレフトにホームラン性の打球を好捕され悔しい思いをしたが、
米国戦ではさらにソロホームランを打ちなおし雪辱した。
今まで代表に縁がなかった選手だが、パワフルな打撃以外にも器用な守備でチームに貢献した。

・「5人の投手侍」がUSA斬りの大活躍
先発「今永」2回4安打2三振1失点。
2番手「戸郷」2回ノーヒット2三振無失点。トラウトから三振。
3番手「高橋宏」1回2安打2三振無失点。
4番手「伊藤」1回ノーヒット1三振無失点。
5番手「大勢」1回1安打無失点。
6番手「ダルビッシュ」1回2安打1失点。
7番手「大谷」1回ノーヒット1三振無失点。 トラウトから三振。

・「大谷翔平」の勝負魂。超人的な活躍をする2WAYプレーヤー、最後は神様も味方に。
さすがに準決勝・決勝では二刀流はやらないと思われたが予想をくつがえした。
彼はアメリカに渡ったのち、エンゼルスにも投手登板を相談していたという。
並々ならぬ闘志は決勝ラウンドでも変わっていなかった。
米国戦での投打にわたる活躍はスーパーマン。米国には衝撃を、全世界の子供に夢をあたえた。
(決勝9回の抑え登板に、大谷は違う惑星から来た人だろう?との疑惑もでた)
またその姿は日本や世界の野球ファンのみならず、普通のファンも沢山増やした。
*最後の9回登板でのトラウト斬りでの優勝シーンは、ハリウッド映画を彷彿とさせた。

大谷は第5回ワールドベースボールクラシックの大会MVPを獲得した。
ベストナインは指名打者(DH)と投手の2部門で受賞。

(DHで打率435、1本塁打、8打点。投手では2勝1セーブ、防御率1.86だった)

*次ページで「侍ジャパンが優勝を勝ち取れた要因」を考えました。