正義の味方が大人向けの娯楽作品として戻ってきた。
リメイクだけど新しい意味も加えている。
昔のものをリメイクして‥。オマージュを持って再構築‥、
しかし出来上がった物語は、別物になっていないか?
作り手の想いと見る側の想いとの違いが出来ていないか?
昔子供向けにつくられた「正義の味方の物語」のリメイクについて気がついたことがありました。
この記事は映画「シン・ウルトラマン」を観て、思ったことを書いています。
*若干のネタバレを含みます。
映画を観てから読むことをお勧めします。
子供向けの物語を現代の大人向けに再構築することの難しさ。
テーマをしっかりととらえているか?
正義の物語は時空間を越える壮大な「テーマ」が中心にある。
物語にはテーマを具現化してくれる「存在」が出てきて、永遠に語り継がれる物語となる。
それは正義であったり平和であったり調和であったり勇気であったり。
いずれも子供が想像力を膨らませて、心の中で育つものだと思います。
物語が生まれた時代も関係している。
時代を移し替えればいいのか?という疑問もある。
テーマは永遠のものなのかもしれないが、
簡単には再構築できるものではないのかもしれない。
娯楽映画とはお金払って観るものなので、大人が満足するもの。
大人が満足する娯楽映画をつくらなければいけない。
商業として成り立つのは、
ターゲット層の多くが子供時代に見た物語であり、
記憶の中に在るテーマが曖昧になっているからです。
だけど子供の時に会ったヒーローに会いたい。
もちろん作品にはオマージュを込めているとのこと。
【オマージュ】既存の作品に対して敬意を表明して表現すること。
でも映画を観終わった後に違和感が残った。
なぜなのだろうか?と考えた時に、
それはウルトラマンに「カラータイマー」が無いからではないかと思いました。
ない理由は物語の展開上、当然あるのだと思います。
(私はその理由については調べていません。)
ただその違和感がどこからきているのかを調べたかったのです。
この記事では初代ウルトラマンが持っていたテーマと
シンウルトラマンの語り掛けてくる物語との違和感について
「カラータイマー」の中心に考えてみました。
【注意】
この記事は初代ウルトラマンが胸に付けていた「カラータイマー」の話が出てきます。
カラータイマーの形や役割をご存じない方はあまりいないと思いますが‥、
簡単に説明しますと、
ウルトラマンが胸の真ん中に付けている命のランプのようなもの。
地球上では3分間しか活動できないというものです。
「ウルトラ戦士がつけている発光体。生命源であるウルトラ心臓につながったバロメーターです。」
(ウィキペディアより引用しました。)
*もっと知りたい方は最初のTVウルトラマンシリーズを観るなりして調べてください。
**まずウルトラマンを大人向けにする場合に、
何が大切なのだろうかとその“要素”を考えてみました。**
ウルトラマンを大人向けにする場合に必要な要素
最初ウルトラマンは島国に登場した。
他の国のことは考えていない。
(正義の味方は地球の平和を守るのは理想だが、)
最初のウルトラマンは日本を守るためにきた。
他の国との境界線や空を気にすることなかった。
国際的な存在としては考えていなかったはず。
作りての加えた要素とは。国際的な立ち位置?
(自分の推測です。)
作品にオマージュをもちながらも、日本だけでなく国際的な力関係を意識、
現代的なリアルさを加えた。
子供の正義の味方「ウルトラマン」を再構築しつつ、観る人も満足させるために。
実際に出来上がったものと自分の見た感想です。
大人の記憶に残る正義の味方像と懐かしい怪獣のテイスト。
正義の味方が必ず勝つという爽快さを表現。
舞台は現代でありリアルさも大切、武器も近代的で数も多くする。
人間の力も強くなり対策もAIが加わって大幅にアップ。
日本における正義の味方の存在意義もあらわす。
国際社会に対しても理解してもらう事。
【感想】
昔のヒーローの活躍を見る事で、小さいことの感情を思いだしました。
怪獣と宇宙人の登場にもオマージュがありました。
娯楽作品としてワクワク、最後はスカッとする。
人間のドラマもしっかりと入れ面白かった。
特に禍捜隊女性の活躍に目を見張りました。
コミカルな部分も楽しい。
当然国際的な利害関係もあります。
空想特撮映画としてよくできていると思いました。
*非常にそつなくまとまっていて最後まで魅せている作品です。
ここまで作り手の理由を想像しながら、「シン・ウルトラマン」についてのレビューを書いてみました。
*次のページは、“大人向けの要素”を加味すると物語のテーマが変わってしまう恐れがある。
ことについて書いています。長くなってしまいました。時間がある時に読んでいただけると嬉しいです。
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