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翼を広げ飛ぶカモメ

村上春樹著 めくらやなぎと眠る女-感想-1


蛍・納屋を焼く・その他の短編 村上春樹著  新潮文庫刊 より




【場所】海も近く山もある傾斜地とそこにある街

【時期】5月、初夏






登場人物




主人公: 25歳の男性
今年の春に東京で2年間かよった会社を辞め、家に帰ってのんびりしている。家は果実のようなふくらみを持った風の吹く傾斜地のふもとの方にあり、傾斜地からは海も見える。故郷には何の興味もない、しかし東京に変える気にもなれない。煙草を吸う、アルコールが好き。




いとこ主人公の甥っ子で、この土地に住む14歳の男の子
右の耳に障害を持っている。色んな病院で治療を受けている。小学校時に耳にボールをぶつけられてから聴こえなくなったのだ。神経症も関係している?
父は会社を経営している。裕福な家庭?。




高校生時代の男友達: 今は亡くなっている。

その男友人のガールフレンド: ミッション系の女子高校に通っている。昔傾斜地のある病院に入院していた。生まれつきの胸部の骨のずれを直す手術のためだ。



あらすじ(導入部)




主人公の男性は叔母さんに頼まれて、いとこを新しく通う病院に連れて行ってくれないかと頼まれた。断る理由もないので引き受けた。病院へのバスは高校時代通学で使用していた路線バスで7年ぶりだ。随分風景が様子が変わっているなと思う。
バスに乗っている間車内で奇妙な風景に出会う。それはバスの中に乗っている乗客だ、60~70代半ばくらいまでの老人が40名位乗っていたのだが、みんな小声で話しているが非現実的というか特徴がなく、何を雑談しているのかがよく聞き取れなかった。




いとこは右の耳が難聴で原因を調べるのに色々病院を変えている。今回の新しい病院は主人公男性のよく知っている場所にあったので案内を任されたのだ。
バスを降りて病院に向かった、いとこが治療を受けている間、主人公の彼は、8年前に男友達と125㏄バイクで海岸近くの別の病院に行ったことを思いだした。目的は当時友人が付き合っていたガールフレンドが入院していてそれを見舞いに行ったのだ。そのあと彼の記憶力は完全に眠り込んでいた。




彼の記憶はそこで一度とぎれたが、病院の食堂に入っていた彼は、しばらくして入院している時の彼女の動作と彼女が紙ナプキンの裏に何かを描いていたのを思いだした。それは、「丘と家とめくらやなぎ、家でねむる女の絵」だった。




いとこは診察が終了して彼のテーブルに戻ってきた。ランチを食べながら原因について話した。そしてバス停に行っても会話はいとこの難聴の原因や痛み、耳がどう見えるかなど延々と話した。



感 想




一通り読んでみたが、物語としては追えたのが何が言いたいのかがよく分からなかった。




作者は何を言いたかったのだろうと、再度最初から読んでみた。
物語はこの主人公が言っているように、彼がいとこを病院まで連れていくのに付き添いになって、バスで送る間の奇妙な乗客と、車窓から見えるかわった風景と、いとこの様子を語っている、大切なのは主人公の男性は、道中いとこのことを気にかけて観察し、彼の病気のことを考えていたことだ。そしてバスを降りて歩いて病院に着く。




病院に行って主人公はいとこの治療が終わるのを待っている間に、色々思いだしたことを語っている。思いだしたことは、昔男友達と一緒にここから近い海岸近くの病院に男友達のガールフレンドを見舞いに行った時のことで、それも断片的だった。その時に紙ナプキンに彼女が描いていた「めくらやなぎと眠る女」の話は表現が象徴的で、小説に脈絡を与えているのか自分にはわからなかった。「めくらやなぎの花粉をつけた蠅が、耳から入って彼女を眠らせて彼女の体の肉を食べてしまう」というのがその文章の要約だ。




ここで気が付いたことがある。この「主人公の男性目線でこの小説を彼の思いに沿って読んでいく」と、「この小説のテーマ・結論が見えてこないのではないか」ということだ。
他の視点が必要だと思った。




*パート2に続きます。次は自分の勝手な推測である「ネタバレ」も入っていますので、注意ください。小説を読んでからの方がいいと思います。変な先入観持たないで読めますよ。