【本のレビュー】「情報のさばき方」外岡秀俊著-感想-新聞記事取材の裏話が面白い

*「情報のさばき方」外岡秀俊著-朝日新書刊の感想になります。

新聞記者に興味のある方へお勧めします

指南書ではありません。著者が記者としての数十年の経験を元にしています。新聞記事を書くにはこういう点に注意してきた。テクニックを使って書く、実践方法が書かれています。

筆者は記者時代には記事を“私的な感情や意見をなるべく排除して”書いていた語るが、この本では自分自身の経験なので良いことも失敗例も一人称で書いている。

面白くて一気に読んでしまいました。

記者の生き様がリアルに伝わるこれまでの仕事を包み隠さず書いています。

目次をご紹介 (*大見出しと中見出しのみ)

第一章 情報をつかむ

1 必要な情報を探すコツ
2 全体像の中の「自分」を知る
3 メモこそ命
4 人に会う
5 真偽を見極めるポイント

第二章 情報をよむ
1 分析に役立つ基本技
2 情報のプロの習性
3 だまされないための技術
4 プライベート情報は?

第三章 情報を伝える

1 誰に何を伝えるか
2 書くためのヒント
3、 IT社会と情報 

終わりに

感想

・文章は論理的に組み立てる。そこに理と情がたされて伝わる。

・取材の方法、観察力、分析力などは仕事で鍛えられたこと。

その時の状況や記者の置かれていた立ち位置や現場の状況が伝わってきます。

*まず自分の経験した部分の書く知識を紹介する。一般論はあと。事件にかかわった時のエピソードも興味深いです。

新聞記者はどのように仕事をすすめているのか?
仕事を少し覗くことができました。

文章力アップに役立つキーワード

新聞記者の取材の仕方や書き方などから役立てたい箇所があります。
【注意】例えば地元の記事を書くときなどに応用出来ると思います。*印が役立てたい部分です。

「インデックス情報」が大切

(第一章情報をつかむ・1-必要な情報を探すコツから)

この本のインデックス情報とは、「情報の中身ではなく、どこに行けば誰に聞けば確かな情報を得られるのか」という情報のこと。

*地域の記事を書く際、そこを調べておくことで効率的になる。

周辺から中心へ迫る手法

(2-全体像の中の「自分」を知るより)

新しい地域に行って情報を効率よく得ようと思ったら、観光課などに行き担当と話をするのが近道だが、情報がかたよる可能性もある。
身近な話題を正確に知ろうと思ったら、豊かな情報がころがっている“周辺の現場”に行ってみる。

*実際に行くとWEBなどで調べたことと違ったり、予想外の発見がある。

取材する前に「概要」を整理。メモする目的をはっきりさせる。 

(3メモこそ命より)

取材メモに必須の要素とは取材したポイントの要録を残すこと。
現場でのメモは“場所や人間関係、様々な見取り図を含みます。
事前に取材する対象について概要を書いておく、何を調べるのか明確にしておく。

*取材で人に会った時に相手の信頼を得るために。
準備した分的確に答えてくれる。

「事」「理」「情」のバランス。要約を冒頭に、結論はわかりやすく

(第三章 情報を伝える1 誰に何を伝えるかより)

物事を理解してもらう際に大事なのは、「理」と「情」だという。
情報伝達の基本は、情に訴え、しかも筋道の通った文章で『事』を伝えること。

ある情報を伝える際の論理とは、“ある情報と別の情報との関係が単純明快でわかりやすい”こと。これで情報が頭に入りやすくなる。

*地域の情報は読む人のニーズを考えて。

自分の主観は抑え、読む人に共感してもらえる文章を書く。

「三角測量」が可能にする克明描写。

三角測量とは直接会えない人の情報を周りから聞いていってなるべく確度の高い記事に仕上げていく手法。

*三角測量を地元の話題に応用するとすれば、ある情報を三方向(場所・時・人)から見ることで、多様な視点からアプローチすることでしょう。

まとめ

この本(2006年発刊)の発刊当時は、仮説をたてて準備、取材で情報を集める、論理的に下書き、意見を聞き初稿、第三者の視点で推敲、最終的にわかりやすく仕上げる。
様々な問題も嚙み砕いて読者に提供するには、熟練した人の連携が必要だった訳です。

現代は情報や知識は物凄いスピードで発信され消費され蓄積される社会(ワンストップ化している?)

AIは年々進歩して、学ぶだけに留まらず、低コストで情報を分析し人に提案できる。

しかし価値ある情報にはコストがかかる。冷静に分析出来るのは資金力のある所。

そう考えると未来に『情報をさばく』のは誰なのでしょうか?
余計なことを考えてしまいました。

*最後までお読みいただきありがとうございました。