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劇場版岩合光昭の世界ネコ歩きポスター

「劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き2」-感想-北海道とミャンマー-ネコの家族愛・生命力に感動


「劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き2」~あるがままに、水と大地のネコ家族 
*映画の感想になります。




大自然の中、人間と暮らすネコたちの姿がありました。 時に温かく、時に厳しく、あるがままに‥。
最近人気の動画は“かわいい猫”が出てきます。そんな家の「猫ちゃん」はここにはいない。自然の中で『たくましく生きるネコたちの物語』です。
舞台は北海道とミャンマーの2カ所。
1年にわたり撮影したとのこと。ネコの姿に感動しました。映画としても前作の1からパワーアップしています。動物写真家・岩合光昭さんがテクニックを駆使して作ったネコ映画の傑作でした。







あらすじ~冒頭から中盤




北海道とミャンマーのネコたちのドラマ

最初は北海道の牧場の牛小屋。
牛小屋にはゴットマザーがいる。ネコの家族同志が仲良く暮らす。ゴットマザーにとって誰の子供なのかなんて関係ない。見事な協同生活がある。
しかしネコなので色々ある。
ちゃっかりネコは、ミルクは搾乳作業ででたもの(機械から垂れて落ちたもの)が分かっていて、素早くご相伴にあずかる。また別のネコはお行儀よく残ったミルクをお皿からもらうものもいる、性格が楽しい。
「多様性」とはこういうことを言うのかもしれないと思った。
ネコたちが群がる。子ネコたちも必死になめる・なめる・なめる。
人間はすみにいればいい。
たくましい。ネコの生命力と人間のやさしさが無言のうちに語られている。ミルクの生温かさが画面から伝わってきた。




オスネコには守りたいものがある。けんかをする2匹のオス。1匹は3歳のオスだ。彼も母ネコにはかなわない。いずれは別れがやってくるのだろう。母ネコと子ネコの別れのドラマ。新しい命の誕生。
こうして牛舎の人の見えないところで「猫の世代」が変わっていく。




場所は変わってミャンマーだ。
ミャンマーのインレー湖。
湖の中に長い足を延ばして高床式家屋がある、地元の人々が湖上の家に住んでいる。水上の村。
この村にもネコは住んでいる。ネズミや外虫を退治してくれるネコ。水上生活をするには欠かせない「パートナー」なのだ。
映画に登場するのは茶色のオスネコ・黒っぽい母ネコ・父と母そっくりな子ネコ2匹の4匹の家族だ。子ネコにとって水上は危険が一杯だ。ハラハラする展開でした。
でも彼らは、たくましい。

彼らが住む人間は船を出して漁をする。漁にお供するオスネコと母ネコ、不安そうに見つめる子ネコたち。すべてが物珍しく勉強だ。
船で取れた魚に食いつくオスネコと母ネコ。人間からのおすそわけ。
やはり“お手伝い”で船に乗っているのではなかった。
母ネコは自分から川に飛び込んで泳ぐ。湖の近くに住むネコにとって泳ぐのは走るのと同じだという。驚いた。

船が戻ると今度は子ネコたちが魚に飛びつく。
しかしさすがに人間が「切り身」にしないと無理らしい。
こうして4匹のネコたちは人間と生活を共にしている。
オスネコが自分の家族に寄り添って暮らすのは珍しいという。




季節は変わっていく。
北海道は冬に、牛舎の周りも雪景色だ。ネコたちも冬毛に衣替え、厳しい寒さとの闘いだ。
ミャンマーは雨期に入る。激しく雨が川を叩く。ネコの家族も不安そうに見ている。
自然の中で暮らすのは困難がつきまとう。
彼らのドラマから目が離せなくなった。1年かけて見つめ続けた「ネコたちの営み」「成長の物語」が細やかに描かれていく‥。




感想




心に残ったシーンは、三つありました。
一つ目は、北海道のネコが牛と一緒に寝転んで甘えている所。ネコが白黒なので親子のようで面白かった。
二つ目は、ミャンマーのインレー湖でネコ親子が川に飛び込んで泳いでいるところ。
三つ目は、北海道の牛舎で茶色ネコが真ん中の通路で、牛の鼻の方を向いてお座りしている所です。




三つ目の牛の息が白く吐き出される牛舎の真ん中に座っている茶色ネコ。その横顔に「鼻息」が白くなって吹きかかります。その映像はまるで「自分自身が牛舎にいる」ような錯覚を覚えました。また同時に外は雪が積もり極寒、北海道の自然の厳しさも表している。とても象徴的な絵だと思いました。




「牛とネコ」動物同士のふれあい、ネコの家族愛と逞しさ、ネコが人間の生活に寄り添う姿が心に残りました。
ネコは人間の近くにいるけど「ネコとして生きている」。ベタベタする訳でなく適度な距離感で寄り添っている。自然の中では人もネコもひとりでは生きていけないのです。
たくましく生きる。ネコは人間に家族・自然との付き合い方も教えているようです。また長期ロケだったので子ネコの成長にも目を見張りました。後半には目に力がありキラキラしていました。




岩合さんのナレーションは前作よりも抑えめですが「効果的」でした。そして監督としてのカメラワーク・演出が素晴らしかった。NHKの番組でも感じますがよく「ネコが撮らせてくれるなあ」と感心しきり。理屈では測れません、やはり第一人者です。
ずっと観ていたい映画です。 感動しました。




最後に




映画を観た後、牛小屋がどの位温かいのかが気になりました。ネコたちと一緒に「牛の鼻息を浴びてみたい」と言うと、隣にいた妻に「臭いからね」と言われました。確かに‥。「いいとこ」しか見てない自分にダメだししました。

映画を観た後、昔「岩合光昭さん」をお見かけしたのを思いだしました。
もう十年近く前になります。東京の百貨店で写真集の発売を記念して、猫写真展があった時の“ジャケットを着た姿”です。その時は主に動物写真の仕事されていました。それから数年後岩合さんはネコの映像作家になり、今は立派な映画監督です。クリエイターとして進化を続けています。凄いです。
ファンとして今後のご活躍を期待しています。




【ミャンマー】(ミャンマー連邦共和国)
旧ビルマ。タイの北西側に位置する東南アジアの国。100以上の民族がすむ。首都はネピドー。最大の都市はヤンゴン。
【インレー湖】
ミャンマー連邦共和国のシャン丘陵にある淡水湖。