十津川警部「銚子電鉄六・四キロの追跡」西村京太郎著-感想-謎解きの旅

まるで2時間サスペンスドラマを観ているような展開にハラハラドキドキ。
西村京太郎さんの小説の世界と、その醍醐味を満喫しました。

小説前半の物語をかいつまんでご紹介します。
最後は感想でまとめています。

物語の構成は、強弱のメリハリがついていて読みやすかった。
最後まで物語の展開から目が離せませんでした。
推理をしながら物語を楽しめました。
物語の前半部分のネタバレが有ります。ご注意ください。
(後半のクライマックスについては書いていませんので安心してください。)

*十津川警部「銚子電鉄六・四キロの追跡」西村京太郎著 を読んだ感想になります。

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舞台

銚子電鉄車内、銚子市犬吠埼、外川。
東京都内(世田谷・神田・四谷)、木更津他。

冒頭に舞台となっている銚子電鉄の電車は「デハ1000系」。

「デハ1000系」は昔東京の営団地下鉄で使用されていた車両。エンジと栗色のツートンカラー。
銚子電鉄で運行していたのは1994から2016年にかけて。残念ながら現在は走っていないようです。
(この小説は2009年頃書かれています)
*下記の写真は伊予鉄道100型として活躍していた「デハ801」、色合いが似ているので載せました。
現在は外川駅に展示されています。

銚子電鉄デハ801
銚子電鉄デハ801

登場人物(登場順)

月刊誌「T&R(旅と鉄道)」を発行しているR社(神田駅近く)
社員:若い編集者:井畑徹
若いカメラマン:岡本亜紀

私立探偵(世田谷区):本橋哲也、30代。

銚子警察薯:刑事・鑑識
千葉県警:渡辺警部

「T&R(旅と鉄道)」
編集長:厳しいが温情もあり。

警視庁捜査第一課:亀井・西本

消費者金融マイホームの支店長(自宅は木更津):野崎康幸
副支店長:安井

警視庁:検視官
十津川警部:色々考えて、迷いつつ決断は早い。人間臭さあり。

人気のカメラマン(四谷): 千頭明

あらすじ(冒頭から中盤まで)

鉄道雑誌「T&R」の社員「井畑」と「岡本」二人が銚子を訪れた。
今人気の銚子電鉄の取材がメイン。
カメラマンの岡本亜紀は犬吠駅でカメラを盗まれる。銚子警察へ連絡。
(亜紀は撮られたらまずいものがとられて、私のカメラが盗まれたと推測。 )

犬吠埼灯台下の断崖の岩場で30代背広姿の男が倒れていた。
死んでいた男は本橋哲也

犬吠埼岬 202107
犬吠埼岬 202107

銚子警察の刑事・鑑識が来る。亜紀はカメラを盗んだのは彼かもしれないという。
(亜紀は何か彼は事件に関連していたのではないか。だから殺されたのではないかと考えた。)

千葉県警の警部が来る。
警視庁に調べてもらうと男は東京に住む私立探偵だと判明。

**亜紀の素人推理があり、コンパクトにテンポよく物語が進む**

千葉県警の殺人事件の発表・記者会見。

千葉県警の渡辺警部が記者の井畑、カメラマンの岡本と話をする。

出版社の二人は、ホテルに戻ってから盗難時の状況について話をする。
岡本から新事実として銚子電鉄の車中にフリーカメラマンの千頭明さんがいたことを覚えていた。
亜紀は何か千頭さんが車内の写真を撮っているかもしれないと推理。

二人は東京のR出版社での編集会議に出る、編集長からカメラ盗難の件で大目玉をくらう。
しかし事件の記事を書いていくことで名誉挽回することに決定し、二人は一安心。
千葉県警からR出版社に事件の情報が送られてきている。
私立探偵の本橋は消費者金融から600万円を借りていることが判明。
何のためにお金を持って銚子に行ったのか?

井畑と岡本が編集長にいわれて記事を書いてみるのだが、編集長にまだまだとダメ出しされる。

**彼らの書いた記事自体が“ここまでの物語の小まとめ”になっていて、彼らに語らせているのが面白い**

渡辺警部の携帯が鳴る。
本橋が借りた消費者金融マイホーム支店長の野崎帝国ホテルで殺されたという。

**新たな事件が発生、物語が大きく動いていく**

本橋宅では警視庁捜査一課の亀井と西本が捜査を始める。

ホテルでは?
十津川警部も登場、推理を開始。
犬吠埼の事件と関係があるのかは分からない。

捜査本部が丸ノ内薯に置かれた。警視庁と千葉県警との合同捜査となる。
二つの殺人事件が関連しているのではないか?

**殺人事件が連続して警察関係のリレーがめまぐるしい、緊迫感が盛り上がっていく**

野崎が銚子へ行ったときの切符を売った旅行会社の女性が当時のことを覚えていた。
野崎との会話で覚えているのは、銚子に行く理由で、それは“魚”だといっていた。

殺された二人は違う駅(犬吠・外川)で降りていたことが分かってきた。

銚子電鉄-外川駅-正面
銚子電鉄-外川駅-正面

本橋はお金を持って銚子にいっている。野崎は融資している。
銚子でうまい儲け話があったのは間違えなさそう。

渡辺警部は、なぜ二人が違う駅に降りているのか?疑問に思う。
二つの駅の周辺を調べに銚子に行く。

しかし3日後になっても渡辺警部から連絡はない。
連絡が入ったのは警視庁からで、なんと渡辺警部は死去したという。

事件は急展開、十津川警部は亀井と一緒に銚子に向かうのだった‥

***警察の渡辺警部補も取材で銚子に行くが、殺されてしまった。
二人が銚子に向かった理由とは?そこで何が起こっていたのか?***

謎は深まる。
十津川警部が本格的に推理を開始。
千頭さんの写真がヒントを与えてくれた。
調べが進むにつれて見えてきたのは、外川で起こっていた変化だった‥。
十津川警部の推理は核心に近づいていく。
そこで見えてきたのは‥。

*次ページは感想になります。