ケンちゃんの出会いと別れ-映画「散歩屋ケンちゃん」感想

さらに工夫がある(推測)

ビック錠先生の脚本(物語とキャラクター)がいい。
キャラクターの魅力。飽きさせることのない話の展開の仕方は素晴らしいです。

【ガチャの使い方】
多少の嘘をつきながらも、その部分は物語上での使用。

現実的ではないので多少の違和感はあるが、許される範囲か?
読者の興味を繋ぐことと伏線として使用し、エンドにもつながっている。
*キャラクターや物語の漫画的な部分との相性も悪くはないと思った。

ケンちゃんを演じる「いしだ壱成さん」が良かった。
ケンちゃんと相性がいいと思った。問題を抱えながらも自分らしく生きる男。
父との関係も引きずっていた人。
彼の演技は物語に感情移入しやすかった。

監督・脚本の「寺井広樹」さんは、銚子通。
銚子市・銚子電鉄を知っている人が監督と脚本を担当している。
(ビック錠先生との組み合わせも良かったのでしょう。)

限られた資源の中で練られている。
時間が短いので、無駄なシーンがない。
結果的に話がしまっていたと思う。

まとめ

ストーリーの展開は計算されていました。
ケンちゃんと父とのドラマは、父が息子に残した手紙を読む場面でクライマックスを迎えます。
面白くて泣かせる場面もありました。

ケンちゃんのキャラクターは、ビック錠先生らしかった思います。

とても人間臭いキャラクターです。うまくいかない人生だけどあっけらかんとしている。
その中で一生懸命生きる人。

ケンちゃんと周りに登場する人物の人生を一緒に体感しているような感じ。
笑いながら泣いている。悲しんでばかりいられない。

そんな庶民の人生をペーソスまじえて語っているような気もします。

誰の人生にもあるその人ならではの物語を垣間見るような話。
そんなキャラクターたちの生き方に親しみを覚えました。

親子の物語でありますが、様々の人の人生も関わり合います。
見る人の人生にも関係しています。

最後は漫画表現になります。哀しい物語が少し救われます。
(映画から漫画の世界に入り、すこし分かりにくい部分もありますが。)

この話は「父と息子の関係が変化していく物語」です。
父と息子のお互いが成長していくドラマといえるのかもしれません。

物語の最後はビック錠先生の漫画で、父を息子の物語を回想。
“父と息子の未完の物語”であることを示して終わります。
ドラマのエンドまで見届けることが出来ました。

父にも人生があった。
息子にも自分の人生ができて‥。
歩き始めることで分かったこともあった。

ケンちゃんのドラマは唐突で、少し意外な終わり方でした。
父と息子の物語はそれぞれの人の中にある。だから共感できるのだと思いました。

これから各地で上映されていきます。予定については公式サイトをみてください。
映画「散歩屋ケンちゃん」サイトへは、ここからどうぞ。
(注意)外部サイトにとびます。

沢山の人に観ていただきたい映画です。
あなたのお近くで見る機会がありましたら、是非ご覧になってください。

*ネタバレも若干ありました、その点は勘弁してください。
「散歩屋ケンちゃんを100倍楽しむパンフレット」を一部参考にしました。
(パンフレットは映画館での販売)
最後までお読みいただきありがとうございました。