「パン屋を襲う」村上春樹著-感想【ネタバレ有り】想像力の不足が招く行動の危うさ

彼女はなぜ行動したか?

彼女(妻)はそれを明確に意識させるために、
彼を知るために行動に移すしかなかったのだと思う。

火山は彼が飢餓を隠している場所?。
欲望を満たすと消えて、あらたな欲望が生まれた時に、
水の深くに姿をあらわす。

彼女にとっては他人ごとではない。
今は同じ“水面に浮かぶ”ボートに乗っているから。


彼と一緒に暮らしていくには“それ”を知ることが大切なのだ。
まだ一緒に暮らし始めて半年。
なぜなら彼女は海底火山を見ようと思った。

彼女は彼の火山の意味をはっきりさせようとする。
彼女は彼よりも積極的に動く。
それを明確にするため、“呪い”を解釈するために。

ターゲットはなぜぱっとしないパン屋なのか?
彼の生き方も透ける。

【なぜパン屋、仮説も加えて考える】
若い彼は大学を離れ労働からも逃げている。
そして貧乏で空腹である。
ぱっとしないパン屋は彼がその時に出入りできる程度のお店であろう。
店主が一人でやっている夕方に時間に訪問する。
そして襲うと言うと店主が出してきた交換条件を出してきた。
彼らはその条件をのんでパンを腹いっぱいに食べるのだ。
所期の目的である空腹を満たすことは出来た。
適当なターゲットはパン屋だった。
でもそれは犯罪に対しての向き合い方もあらわしている。

悪に対していうのはおかしいのだが、中途半端だった?

結局問題を大きくしないで小さな目的を達成できた。
危ない橋を渡らないで。
そこから彼の人生はゆっくりと変化していった。
しかしその選択には重大な間違えがあった。
“その誤謬は原理の知れないままに、我々の生活にまとわりつくようになった。
”それがある種の呪いだという。

そして彼女は彼と暮らすようになってから呪いの影を感じ続けてきたような気がする。
そして呪いが空腹となって彼女までも巻き込んでいるという。
そして彼女は呪いをとくのは今再びパン屋を襲うしかないというのだ。
*【誤謬(ごびゅう)】あやまり。まちがい。

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