まとめ~男女間のコミュニケーションの難しさ
生命体としての人間学(もしそんな学問があるとしたら)については、女性は圧倒的に知識が豊富で、男性の知識はたかがしれている。頭の機能も違うのは知られています。
【男女の脳の構造の違いから見ても】
男女の脳の違いは大きさの他に「脳梁(のうりょう)」にも違いがあるといわれています。脳梁とは左右の大脳皮質をつなぐ結ぶ神経線維の束です。言語や知能といった情報が流れる「通信回路の役割」をはたしています。その脳梁の太さが『女性は男性よりも太い』ので、コミュニケーションにおける情報量が多い。
女性の会話が感情豊かで量も圧倒的に多いのに比べて、男の会話が貧弱ですぐ終わってしまうのを比べてみれば分かる。
男性としては残念なことですが。
男女間のコミュニケーション不足による「勘違い」が生む悲劇と、一人になっても「一向に変わらない男の生き方」が浮き彫りになっている。
この小説は“男性の欠けている部分(コミュニケーション不足)”が生んでしまった遺恨を物語として回想している。そしてみさきに問いかけている。時間も空間も変わっているのに自分の記憶を若い女の子に語っている。悔いが残っているのに、まるで物語であるように「演じているように」置き換えて語っている。
しかし家福はここでもみさきに対して「勘違い」「コミュニケーション不足」を繰り返している。そしてみさきがそれをどう思ったかについてはあまり語られていない。
「コミュニケーション不足は、男性と女性の永遠のテーマなのかもしれません」そこを物語に潜ませているのが村上春樹さんの凄さだと思いました。自分としてはそこが面白かったところです。
*この本を読んで色々なことが頭をよぎりました。ぜひ一度読んでみてください。
【注意】男性の目線での個人的な感想です。本当の女性の目線は分かりません。 最後まで読んでいただきありがとうございました。
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